大手芸能プロダクションの人との会話④
先日、大手芸能プロダクションの方とお話させていただく機会がありました。地方アイドル業界が超えられるといいのになという「壁」のお話を頂きました。
「アイドルと所属事務所が何のために活動しているかは、それぞれだと思いますが、今のままでは “地方アイドル業界” は、エンターテインメントとしての地位は上がらないと思います。しかし、状況を打破するには超えなければならない “壁” があります」
その方のお話が、こちらの「知りたかったコト」の核心に迫ってきました。
会社や事務所・運営が「誰に何を提供するか」。そして、その「明確化」が “地方アイドル業界” にとって重要なのです。
「お客さん」には「芸能」を提供するのか、「そうでないもの」を買ってもらうのか。
「アイドル」には「未来。将来。夢。社会的な評価」を保証するのか、「目の前のお金」を供与するのか。
どれが「正しい」とか「あるべき姿」だということではありません。
生活のために日々の売上を追い求めることも、地方だけで売れたり、有名になることも「仕事」です。それを良しとして、もしくはそれで充分として、活動するアイドルや事務所はあります。それはそれでいいのです。
ただ、すべてのアイドルや事務所が、その考え方だと、残念ながら「夢は生まれなくなります」。「ローカル」だけでの活動で終始すれば、「全国」で活躍する才能は生まれません。
「地方の活動から全国区のメジャーになった成功例」という「夢」がなければ、やがて「地方アイドル」を目指す人もいなくなっていきます。
それは不幸なことです。
「ローカル」からでも「メジャーになれる」。
そういう環境と実績を追い求めるグループが必要です。
が、残念ながら「歌とダンス」だけで「全国」に行くのは現実的には難しいです。全国には「歌・ダンス」が上手い人たちはゴロゴロいるからです。競争しても勝ち目がないからです。
関西や名古屋から、そういうグループやタレントは近年、登場していません。東京でも「地方アイドル」というカテゴリーからメジャーになった人材は稀です。
なぜ、地方アイドルからメジャーは生まれにくいのか。
理由は簡単です。どのアイドル、グループも活動は「歌」「ダンス」に特化しているからです。事務所がそれ以外のスキルを磨く、チャンスも経験もレッスンも提供できていないからです。
「歌」「ダンス」にプラスアルファして、「何か」が必要なのです。
それは「演技」だったり「司会力」だったり「トーク」だったり、「お笑い」だったりするかもしれません。「モデルとしてのセンス」や「特殊な知識」、「珍しい趣味」、「一流のテクニック」かもしれません。
グループとして「歌・ダンス」以外のスキルをメンバー全員が一定水準以上身に付けていないといけないのです。
個人としてそれらを持ち合わせている人材はいるかもしれませんが、それではダメなのです。それではソロとしてしか売り出せないからです。
グルーブとして「戦える何か」、「誰にも負けない何か」がメジャーになるためには必須なのです。
「地方アイドル」の中で、そのことを意識している団体は、ほとんどないと思います。
そこが「今後の地方アイドル業界の発展のカギ」ではないでしょうか。
大手芸能プロダクションの方のご意見です。
「我が意を得たり」と思いました。
胸の鼓動が早くなりました。うれしかったのです。
スペーズはプロジェクトを立ち上げた時から、「このこと」を意識してきました。色々なことに挑戦しています。それゆえに「何を目指しているかわからないグループ」と揶揄されることもありました。
そして、「険しい道」を選んだために、いまだにブレイクしているとはいえません。
しかし、とても勇気づけられました。
とても高くて厚い「壁」ではありますが、超える努力を続けてく決意を新たにしました。男装パフォーマンスユニット「スペーズ」として進んで来た道は間違っていないなと、背中を押してもらえたような気持ちです。
「何の為にスペーズをやっているのか」「メンバーにはどのようになってもらいたいのか」「お客さんに提供すべきモノは何か」ということを改めて考えさせていただきました。
前人未踏の茨の道です。しかし、この道を進んでいけるグループは全国的にみても「スペーズくらいしかない」ように思います。
イヤな顔ひとつせずに、色々な質問に対して、ご教示いただいた大手芸能プロダクションの方に心からお礼を申し上げます。
本当にありがとうございます。
また、お会いできる日を楽しみにしております。
以上
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