大手芸能プロダクションの人との会話③
先日、大手芸能プロダクションの方とお話させていただく機会がありました。地方アイドル業界で生き残っていくためのヒントについて、お考えを聞かせていただきました。
「これは絶対というモノはありませんが・・・」と前置きされたうえで「誰に何を提供するかの明確化だと思います」と仰られました。
コロナ禍の時にイベントの開催が減少したり、ソーシャルディスタンスのために交流会での満足度が減ってしまったお客さんは、女の子とのコミュニケーションを求めてコンセプトカフェに通うようになりました。
女の子との交流時間と費用をハカリにかけた場合、コストパフォーマンスはアイドルイベントよりもコンカフェのほうが良いと判断する人が、この頃から増えたようです。
ここでわかることがひとつあります。「アイドルイベントは女の子と交流するための場」と考えている人がいる、ということです。
「ステージパフォーマンスよりも物販・交流会」目的でイベントに通う人が少なからずいる、という現実です。
芸能に関わる者として、これは悲しい現実です。しかし、事実です。仕方がないです。
一方、ステージに立つアイドル側にも「求めるモノ」によっては進路が変わります。
動機が芸能活動の延長線上にあれば、「将来、ドームでライブをやりたい」「誰々のように売れたい」「有名人になりたい」と夢を語ります。
しかし、「お金が欲しい」「ちやほやされたい」「思い出づくりならなんでも良い」「楽なほうがいい」となると「アイドル」でなくてもよくなってしまいます。
ステージで歌・ダンスを披露しなければならないとなると、練習やレッスンに相当の時間が必要となります。
ところが、コンカフェであれば、カラオケ1曲を歌うのに辛い思いをするほどの練習などは不要なはずです。得られる収入が同じなら、拘束時間が少ないコンカフェを選択する人はいるはずです。
「アイドルなんかより、コンカフェで働きたい」と思う人が増えるのも不思議ではないのです。
「誰に何を提供するか」というのは、「お客さん」だけではなく、「アイドル」にも事務所・プロデューサー・運営が「何を提供するか」ということなのです。
続く
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