アイドルのセクシュアリティの多様化 ②
かつては「女性」「男性」と明確に線引きされていたアイドルシーンにも「ダイバーシティ (多様性)」の波が訪れています。
「女性グループの中に “女装” のメンバー」がいたり、「女性グループだけど “男装”のメンバー」がいたり (男装メンバーが複数集まるまで一時的に女性グループに組み込困れているケースもあると思います) 、あるいは「男性グループの中に “男装”のメンバー」がいたり。そういうグループが次々に活動を始めています。
それぞれのメンバーのセクシュアリティは不明ですが、様々なケースがあると考えておけば良いと思います。
コロナ前にも「ミニスカートの中にひとりだけパンツスタイルの女性メンバーがいる」女性グループや、「男性グループだけどひとりだけ女の子っポイ」メンバーがいるなどということは珍しいことではありませんでした。
しかし、明らかに「異性の恰好をしたメンバー」をグループに編成した「広義のジェンダー」を取り込んだグループの活動はコロナ前に比べて活発になりつつあります。
これには、下記のとおり2つの理由があると考えられます。
①生き残りのための戦略
②ジェンダー平等の流れ
「①生き残りのための戦略」というのはアイドルグループを運営する側の事情です。
コロナ禍の最中にアイドルグループの活動休止、再編成、新設がおこなわれました。結果、アイドルグループやソロアーティストの数はコロナ前に比べると微増していると言われています。
ところが、リアルイベントの多くが中止や延期になったことをきっかけにお客さんの数は減少したと言われています。緊急事態宣言の解除によって、ある程度のお客さんは現場に戻りつつありますが、「他界 (アイドル現場通いをやめること)」した数以上の新規客をアイドルイベントは取り返し切れていない様子があります。いわゆる「パイの減少」が起こっています。
アイドルの数は微増しているのに、お客さんの数はあまり増えていない。つまり、アイドル間のシェア争いが激しくなっているということです。
競争に勝つためには「今までとは違うコトに挑戦」していかなければならなくなります。差別化の工夫が必要になります。各運営は色々なアイデアの実現に腐心することになりました。
よそがあまりやっていないような楽曲ジャンルを開拓したり、グループのコンセプトを個性的なものにしたり、同じエリアのグループとアライアンスを組んだり、別の土地に進出したりなどです。
そういった工夫のひとつが様々なセクシュアリティの組み合わせを試みるということなのです。
アイドルのセクシュアリティの多様化 ③ へ続く
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