自分たちの「男装」を ②
広義のアイドル業界における男装のグループは、成り立ちからいくつかのケースに分類できます。女性アイドルが男装してグループを作るケース。飲食店の男装キャストがグループを作るケース。男性キャラに扮するコスプレイヤーがグループを作るケース。SNS上で志を同じくする人たちが集うケースなどです。宝塚歌劇団にインスパイアされるケースもあるでしょうが、宝塚は「男装」ではなく、「男役」ですから、単純に同一視すべきではありません。
スペーズはいずれのケースとも違います。必ずしも女性アイドルであることを起点にしていませんし、飲食店のキャストではありません。男装してパフォーマンスすることを目的として募ったメンバーのユニットです。比較すれば多くはないケースと言えるでしょう。
「男装パフォーマンスユニット」というプロジェクトを計画した際、マネするために参考にしたグループはありません。逆にマネないようにしました。ひとつの矜持 (きょうじ) をもってプロジェクトを推進することを決めていたからです。「なるべく余所がやっていることはやらない」というものです。逆に言えば「余所がやっていないことに挑戦する」ということです。
出来るだけ「装飾」しないのはそのためです。飾り気もなく、ヒラヒラもしていない青い学生服をデフォルトの衣装にしているのは、身につけているモノをシンプルにすることでメンバーの個性を引き出すためです。
また、メンバーの髪の毛はウィッグではなく、地毛です。私生活との差がないためか、ステージの上で素の表情を出してしまうことがありますが、それも「彼ら」の魅力だと思います。カラコンもつけていませんし、シークレットシューズも履いていません。
「ナチュラル」なカンジがスペーズの最大の特徴と言えるかもしれませんが、それは、「素人っぽさ」とも紙一重なので「芸」を磨くことが必須とされています。当たり前のことではありますが。。。
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