“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百八十七通目『信頼関係』


◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百八十七通目『信頼関係』


 君は色々なものを所属する会社や事務所、団体から享受していると思います。

 稽古場、先生、衣装、楽曲、振り付け、発表の場そして身分。加えて活動に伴うなんらかの金銭的または経済的な還元まで。


 それらを、使わさせてもらったり、頂戴することを「当たり前」と思っていてはいけません。

 書面は交わしていなくても、そこには「契約」という概念が伴っています。

 簡単に言うと「やるべきことをちゃんとやってくれる」なら「君が得るべきものを提供します」という概念です。


 君は色々なものを受け取っているはずですが、ひとつだけ「受け取る」のではなく、「自ら作り上げる」べきものがあります。


 それは「信頼関係」です。


 先にあげた「契約」は、すべて「信頼関係」あってのものです。


 会社や事務所、団体は君を信頼して「君が得るべきものを提供」するわけですから、君は「やるべきことをちゃんと」やって、信頼を勝ち取らなければなりません。


 では、「やるべきこと」とは何でしょう。

 

 それは、「挨拶をする」「遅刻をしない」「無断で休まない」「締め切りを守る」「連絡・報告・相談を怠らない」「ウソをつかない、ごまかさない」「自分に非があれば、すぐに謝罪する」「ルールを守る」「現場に穴を空けない」「真面目に活動する」といったごくごく基本的なことです。

 何か特別に難しいことが、この中にありますか?


 でも、それらの「やるべきこと」が出来ていないと、『君は信用を失っていきます』。

 そして、そういう人に「仕事はまかせられなくなります」。

 なぜなら、急に本番に来なくなるかもしれないという「虞 (おそれ)」が常に伴うからです。そういう不安定さは芸能において「リスク」でしかありません。

 自分の評価を自分で下げてはいけません。君が「信用を失って」いくと、君に「仕事は任せられなく」なっていくでしょう。


 そういうことにならないように会社や事務所、団体、チーム、グループのメンバーそしてお客さんとの間で「信頼関係」を強固なものにしていくように生活していってください。

 それができない人は、いつかとんでもない迷惑を周囲にかけるでしょう。そういう人は、そんなことになる前に、きっぱりと芸能の世界から去ったほうがよいです。


 「信頼関係」は与えられるものではありません。自分で築いていくしかないのです。

                                                以上

 

 

「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百八十六通目」は2025年8月13日の記事

「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百八十八通目」は2025年8月27日の記事

男装パフォーマンスユニットSPADES

名古屋・栄を拠点に活動する「男装」のパフォーマンスユニット。 歌・ダンス、芝居、お笑いと幅の広いジャンルで活動しています。 キャッチコピーは「あなたの夢を叶えます」。