“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百四十四通目『求められるのは提案型』
◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百四十四通目『求められるのは提案型』
求められるのは「提案型の表現者」です。
「自ら提案することなし」で価値が認められるのは、持って生まれた容姿が他の誰にも代替不可能なほど美しい人か、誰もマネできないような天賦の才を持つ人か、資本を持つスポンサーの親族か、関係者に強力な縁故 (コネ) を持つ人くらいなものです。
こういう人には「その人でなければならない理由」があるので、芸能の世界で生き残っていけます。
代替不可能であること。つまり、「君の他に交代する人がいない」ような君でなければ、君は芸能の世界で生き残っていけません。
そこで目指して欲しいのが「提案型の表現者」です。
例えば、稽古場で演技表現に行き詰った時、「たとえばこんな演技ではどうでしょうか」とか、仲間とのミーティングで良いアイデアが出ない時、「達成しなければいけない目的はこういうコトなのでこんな手段はどうだろうか」とか、本番前のリハーサルで予期しない事態に直面した時、「それではこんな解決策はどうでしょうか」とか、自分の案を発言できるといいです。
こういう人は演出家やプロデューサーから評価されます。「ちゃんと考えているな」「自分の役割をわかっているな」と認められます。周囲からは「頼りになる人」「チームに必要な存在」「一緒に仕事をしていきたい仲間」と信用を獲得していきます。
もちろん、提案が的外れだったりすれば逆効果ですし、提案のタイミングも重要です。
「何、その陳腐なアイデア」「今、発言するとこじゃないだろ」「自分の世界とルールを押し付けすぎ」ということになると、むしろ「いなくていい人」と自分の価値を下げてしまいます。気をつけてください。
提案が採用されていくようになると、「君にまかせておはげ安心」という信用を君は周囲から得ていくことになります。
やがて「君でなければダメ」「君の代わりはいないからね」「君しかいないんだよ」となれば、誰も「君の代わりは他にもいるんだから」とは言わなくなるでしょう。
ただし、「提案型の表現者」であれば、すべて解決というわけではありません。
君のパフォーマンスが人の心を揺さぶるほどのものでなければならないのはいうまでもないことなので、日々の精進は怠らないでください。
以上
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百四十三通目」は2024年10月9日の記事
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百四十五通目」は2024年10月23日の記事
0コメント