“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 八十四通目『一秒を無駄にしていないか』

◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 八十四通目『一秒を無駄にしていないか』

　芸能の世界にいる君は感じていると思います。毎日が「忙しい」でしょう。

　それは正しくて、当たり前のことなのです。

　人には等しく1日に24時間が与えられています。そして、その「24時間の使い方」は自由です。

　芸能の世界に入る前の君にも「24時間の使い方」があったはずです。朝、起きてから、夜、眠るまでの時間の使い方があったと思います。

　普通の人として、普通の生活をしているのなら、その「24時間の使い方」で、なんの問題もありません。

　しかし、「芸能の世界」に入った君の毎日には「やらなければならないこと」が山積みなはずです。歌を覚えて、ダンスを覚えて、台本を覚えて、SNSを更新したり、次のステージの準備をしたり、体を鍛えたりしなければなりません。

　「なんでこんなことしなければならないのかなぁ」とちょっと思ったりするかもしれません。

　でも、それは仕方がないことなのです。「芸能の世界の君」は普通の人たちから「憧れ」られなければなりません。「好きだな」と思われなければなりません。「夢をみさせてくれてありがとう」と感謝されなければなりません。

　普通の人と同じ「24時間の使い方」をしている人が、「憧れ」られるなんてことがあるでしょうか。あるはずないですよね。

　君は「今までと違う24時間の使い方」をしなければなりません。元々、「24時間」しかないわけですから、歌を覚えて、ダンスを覚えて、台本を覚えて、SNSを更新したり、次のステージの準備をしたり、体を鍛えたりする時間を作り出さなければなりません。

　そのためには、スマホをいじったり、マンガを読んだり、ゲームをしたり、動画サイトを見たりする時間を諦めなければなりません。さらには睡眠時間をも削らなければならないかもしれません。

　「芸能の世界の君」には、「芸能の世界の君の24時間の使い方」が必要になります。

　今の君の「24時間の使い方」は、ちゃんと「芸能の世界の君の24時間の使い方」になっていますか?

　君にはヒマな時間など1秒もないのです。

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「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 八十三通目」は2023年8月16日の記事

「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 八十五通目」は2023年8月30日の記事