進化の予兆


 グループをプロデュースしていると、稀に「あれ?」と思うステージに遭遇します。


 2023年8月6日(日) の「風の栞vol.144 第1部」@ Fairy tales nagoya (名古屋・八事) のステージでスペーズのパフォーマンスに「あれ?」と感じたのは、自分だけではないと思います。


 「今日、ちょっと違う。ちょっとイイかも」。


 「あれ?」というのはそういうカンジのことです。


 「完璧」とか「上等」というものではありません。ただ、なにかこう「次」が見えた、というカンジです。

 動きはいつもより「溌剌 (はつらつ)」とし、探りながらもボーカルは良いバランスに近づき、自然な流れのMCは楽しく、メイクや笑顔もランクアップして、ファンサービスも意識的にできていました。



 終演後の反省会でメンバーは「そのように意識した」部分があることは認めていました。しかし、意識せずに「何かうまくいった」ことについては「どうやったか」を覚えていないと言っています。

 意識せずに良いパフォーマンスができるのなら、それはそれで良いのですが、今のレベルのスペーズは「意識して良いパフォーマンスをいつでも何度でも『再現』できる」ようにならなければなりません。「たまたま出来た」、では、ダメなのです。

 そうでなければ、ステージごとに「パフォーマンスの品質」にムラができてしまうからです。



 課題は他にもあります。「スタミナ」です。序盤に「おお!!」というパフォーマンスが出来たのは「アクセルを踏み過ぎた」ためとも考えられます。つまり、「飛ばし過ぎた」のです。

 事実、終盤は「スタミナ切れ」が露呈し、歌もダンスもヘロヘロになっていました。明らかに「ペース配分」を間違えています。


 とはいえ、スタミナさえつけば、「おお!!」というパフォーマンスができることがわかったのですから「ポテンシャル」の高さを見せることができたといえるでしょう。



 「意識して良いパフォーマンスを再現できる」ことと「スタミナをつける」こと。課題はありますが、2023年8月6日(日) の「風の栞vol.144 第1部」のステージは『進化の予感』を感じさせるパフォーマンスでした。

                                                以上

男装パフォーマンスユニットSPADES

名古屋・栄を拠点に活動する「男装」のパフォーマンスユニット。 歌・ダンス、芝居、お笑いと幅の広いジャンルで活動しています。 キャッチコピーは「あなたの夢を叶えます」。