対象は “個” か “群” か
ローカルアイドルグループの収入源は収入源は大きく分けて3つです。
ステージやイベント、メディアや広告活動に対する「出演料(ギャラ)」。イベント来場者が支払う「入場料」からの配分 (チケットバック)。「物販など」の売り上げ。この3つです。
「出演料」をもらって活動を継続できているグループはわずかしかいません。ほとんどのグループは「入場料からのバック」と「物販などの売り上げ」が生命線となっています。
特に利益率の高い「物販など」は、活動を維持するうえで重要な収入源となっています。
「物販など」はさらに2つに分けられます。ライブイベントの交流会で販売するインスタント写真やグッズの販売とライブイベントとは別に行われるイベント (写真撮影会や配信) です。
それぞれのグループは様々な工夫を凝らして、「物販などの売り上げ」を増やす努力をしています。
実はこの収益構造にローカルアイドルグループが陥るジレンマが潜んでいます。
「物販」の中でアイドルの収入に直結するのが「インスタント写真 (チェキ)」です。イベントの交流会の時間には限りがあります。一般的なのは「60分間」です。この制限時間内で「何枚」の写真を撮ることができるかがポイントとなります。
しかし、どんなに頑張っても制限時間内に対応できる人数には限界があります。
もし、お客さんの最大のニーズが「イベントに行ってチェキを撮ること」だとすると、そのアイドルひとりがファンとして獲得できる人数には、「上限」ができてしまいます。
つまり、グループとしても獲得できるお客さんの数は「メンバー数×ひとりのメンバーが獲得できる上限数」となってしまうわけです。
これが “個” を対象としたアイドルグループの限界となるわけです。
一方、「ステージ上のパフォーマンス」を見るだけで、楽しい、満足と言ってくれるお客さんもいます。
会場のキャパシティ次第で、その数は何百、何千でもありうるわけですから「入場料」だけの収入としても大きなものになります。
ライブパフォーマンスが「最大の売り」にできれば、“大きな群” をお客さんとすることができるわけです。
“群” を対象に出来れば、グループも大きく成長できることになります。
もちろん、理想は “群” を魅了し、“個” からも支持を得るスタイルです。全国レベルのアーティストはそれを実現できている人たちなのです。
非常に厳しい意見を言ってしまうと、東海エリアが「全国で通用するアイドル」をなかなか輩出できないのは、この「“個” と “群”」に対するバランスを上手にコントロールできていないためだと言えるでしょう。
グループを維持すために「物販」は大事ですが、「物販」時の「“個”へのサービスを厚くする」ほど “群” を獲得しにくくなるというジレンマが生じるのです。
もちろん、“個”だけを対象にすることを割り切っているグループもあるはずですし、そのこと自体が悪いわけではありません。そういうビジネスも「あり」なわけですから。
さて、スペーズはというと。
まだまだ “個” だ “群” だと言えるレベルではありません。今は“個” を大切にしながら、“群” に認めてもらえるようなパフォーマンスが出来るように精進するのみです。
しかし、いつか、“大きな群” を魅了できるようになりたいと思っています。
以上
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