Show must go on.
メガネをわざと曇らせる高月 圭。それを微笑ましく見ている鈴川 彰。この2人の様子は2023年4月23日(日)の定期公演「スペーズ ワンマンショー 105 鈴川 彰、高月 圭 卒業編」の後のものです。
「卒業公演後」のある日の稽古場にはいつものように活気と笑いにあふれていました。そう、「いつものように」です。
そこには7期生と現役ステージパフォーマーを引退した鈴川 彰と高月 圭の姿がありました。2人はダンスの先生の指導の下で基礎レッスンを受けたり、ターンの練習に余念がありません。ステージパフォーマーを引退したとはいえ、後輩に指導をする身ですから自分たちのスキルの維持・向上は欠かせないのです。
鈴川 彰と高月 圭は確かに「卒業公演」を行いました。しかし、それは「ステージ上で恒常的にパフォーマンス」を披露する表現者として「現役を引退」するだけのことであり、「男装パフォーマーであることを辞める」わけではありません。
ましてや「卒業」が「スペーズのメンバーでなくなる」ことを意味しているわけでもありません。
これはスペーズの歴史の中では例がないことです。が、「男装パフォーマー」、「男装アイドル」としてはひとつの好例となると考えています。
アイドルとしてのステージパフォーマンスには体力と精神力をフルに使います。個人差はありますが、平均的に女性アイドルなら3~4年、男性アイドルなら5年程度がピークの時期だと言われています。鈴川 彰と高月 圭の活動は5年半に及ぶので男性アイドル並みといえるでしょう。
したがって、ステージパフォーマーとしての引き際はどこかでやってきますし、グループメンバーの世代交代は避けられません。
一般的には「ステージを降りること」はイコール「グループを離脱すること」とされています。もちろん、鈴川 彰と高月 圭にもその選択肢はあったと思います。
しかし、彼らが選んだ道は「自分が体得した知識や経験を後進に引き継ぐこと」であり、「自分たちに備わっている能力で新しいパフォーマンスに挑戦すること」でした。
鈴川 彰は男装のデザイナーであり、フォトグラファーでもあります。今後もスペーズのクリエイティブには関っていきますし、外部からの依頼を受けてデザインやアー写撮影を「仕事として」受けていきます。
高月 圭は男装の表現者であり、作家でもあります。スペーズのメンバーに対して「コーチ」として指導していきますし、「台本」を新作して発表するかもしれません。また、オファーがあれば「高月 圭」の名前で外部の演劇に「俳優として」出演しても良いと伝えてあります。
この2人、「カッコいい」と思います。
現役のステージパフォーマーを退いても、それですべてが終わりになるわけではなく、新しいステージに移行して行く。
これが、そもそも男装パフォーマンスユニット「SPADES」(スペーズ)を企画した時からの青写真です。
「スペーズ」のことをあえて「男装パフォーマー」と表現し、可能な限り「男装アイドル」という呼称を避けているのは、「アイドル活動だけで終わらない」というコンセプトがあるからです。
「スペーズ」で発芽し、自分の個性を伸ばし、人生を豊かなものにしていく。
鈴川 彰と高月 圭は、そういう「男装パフォーマー」の在り方を体現していくフロンティアとなりました。
きっと、これから多くの「男装パフォーマー」に勇気と希望を与えていってくれると思います。
「今後の2人の活躍」と彼らが支えていく「スペーズ」にご期待ください。
以上
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