“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 五十三通目『プロとしての権利、義務、責任』
◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 五十三通目『プロとしての権利、義務、責任』
君が芸能の活動をしていて、活動の対価として「1円」でも受け取ったことがあるならば、君は『プロ』です。
芸能の仕事は部活動やアルバイトとはまったく違うものです。君にそういう意識はありますか?
芸能は「自分を商品」とする世界です。誰でもいいというわけではなく、「君だから」誰かがお金を払ってくれるのです。
アルバイトはやる人が誰でもかまわない仕事です。君の代わりになる人はいくらでもいるでしょう。アルバイトとはそういうものです。
つまり、芸能の仕事で得る「1円」の価値と意味がアルバイトで得るソレとは全然違うものなのです。重みがまったく違うのです。
芸能の世界で働いているわけですから、「対価を受け取る権利」が君にはあります。そして「お金を払ってくれる人たちに対する義務」があります。それはより質の高いエンターテインメントを提供するということに他なりません。そのための努力を惜しんではならないのです。
そして同時に『責任』が生じます。
君は「自分を第一に」芸能の世界で活動してはいませんか?
「楽しそうだからやっている」「好きだからやっている」「〇〇になりたいから」「他人に憧れてもらいたいから」「お金をもらえるから」そして「誰かを笑顔にしたいから」。
別にそれが「悪い」ということではありません。たぶん普通のことだと思います。
ただ、それらはすべての主語が「自分が」であることがわかりますか?
芸能の世界は「自分が商品」ですから、「自分が主語」であるのは当たり前なのですが、「君を商品」とするために、どれだけ多くの人たちが関わっているかということを忘れてはいけないのです。
「君が商品」であるためには、商品を買ってくれるお客さんの存在は不可欠です。しかし、それだけではなく、事務所やスタッフ、講師・先生、クリエイター、ライブ会場のスタッフそして同僚など君に関わるすべての人たちがいるからこそ君は芸能の世界で活動できているのです。
そういう人たちがいないと、君がどんなに頑張っても、才能があっても、素晴らしくても「1円」は生まれてこないのです。
君は「君という主語」が自分だけのためのものと勘違いしていないでしょうか。
そうではありませんよ。「君という主語」を成立させてくれる多くの人たちの存在があってこその「君」ですからね。
芸能の世界で「1円」で受け取ったことがあれば、君は誰が何と言おうと「プロ」です。
「プロ」は「自分だけの都合」で行動するべきではありません。
君が受け取る「1円」を作り出すために、君を支え、関わった人たちに対する『責任』というものが君にはあります。
君はその『責任』を果たせていますか?
『責任』を果たす努力をどこまでしていますか?
以上
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 五十二通目」は2023年1月11日の記事
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 五十四通目」は2023年1月25日の記事
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