師の舞台

 週末、2つの演劇を観ました。いずれもスペーズの演技の先生2人がそれぞれ出演する舞台です。

 ひとつは喜劇。もうひとつはモノローグ芝居です。


 喜劇では全身を使っての感情表現に目を奪われました。例えば、嘆き悲しむ場面。うずくまって地面に顔を伏せるだけでなく、両足を揃えてひざを伸ばし、腰を上げ、体全体で「へ」の字を描くことでこの上ない嘆きを表現するのです。普通では見ることがない姿勢ですが、そこは喜劇。おかしなポーズに笑えながらも、登場人物の心の震えがとても伝わってきます。

 おそらく演出家の指導ではなく、演者の独自の工夫から生まれたポーズでしょう。


 「モノローグ芝居」は複数の人物の会話 (ダイアローグ) ではなく、ただ一人の登場人物の 独白 (モノローグ) で見せる芝居です。一人称のセリフのみで展開していかなければならないという制約がある点が「一人芝居」との違いでしょうか。

 会場に語り掛けるように、しかし、独り言のように役者はセリフを発していきます。演技力、表現力はもちろんですが、物語の構成力も重要です。飽きさせることなく、物語の結末まで観客の興味を引き付けておかなければなりません。たった一人で。

 物語の最後で見事に伏線を回収し、会場を沸かせていました。


 それぞれの舞台の先生の姿から、日ごろの先生たちの教えが透けて見えてきます。稽古場で頂く教えを実践して見せてくれる先生たちの姿からは多くのことを学べるのです。


 とても勉強になった週末でした。

                                                以上

男装パフォーマンスユニットSPADES

名古屋・栄を拠点に活動する「男装」のパフォーマンスユニット。 歌・ダンス、芝居、お笑いと幅の広いジャンルで活動しています。 キャッチコピーは「あなたの夢を叶えます」。