歌とダンスのひとつの役目
5年ほど前の外部イベントで共演者の男性アイドルグループのステージパフォーマンスを見て、「ああ、力強さでは男性に勝てないな。ならば歌とダンスの表現力とメンバーがシンクロできるような正確性に磨きをかけよう」と考えました。
そして、この時に決めたことがもうひとつあります。
「楽曲」の演目を増やそう、ということです。
そもそもスペーズは「歌って踊る男装アイドル」になることを目指して結成されていません。歌・ダンス以外に役者、モデル、MC、リポーターなど色々な分野で活躍できる男装パフォーマーを発掘、育成することを目的として生まれた集団です。
活動を開始した頃は歌唱楽曲は1曲しかなく、ほかは芝居系の演目でした。ただ、芝居系の演目であっても劇中に歌唱するミュージカル風のものがありましたから、歌がまったくなかったわけではありません。でも、結成したばかりの6年前のセットリストは「芝居系」の演目ばかりでした。
外部の公演に出演する目的のひとつが「新規のファンの獲得」です。外部の公演は大きく分けて2種類あります。ライブハウスで上演する「クローズな空間」でのライブと、屋外や大きなイベント内ステージといった「オープンな場所」でのライブです。そして後者は大体の場合、「ライブを見るのは無料」です。
オープンの場所で行き交う人々の足を止めさせ、ステージ上の男装メンバーに注目してもらうために「芝居系の演目」は不利でした。劇は途中から見てもなんのことやらわからないからです。別に料金を払っているわけではないので、面白くなければ、ステージから離れていってしまいます。
チラ見した一瞬でスペーズに興味をもってもらうためには「楽曲」が有効であろうと、当時のメンバーたちと意見が一致しました。
舵を切りなおしたスペーズは楽曲発表に力を入れ、その方針は現在も続いています。もちろん「芝居系の演目」の制作も並行しています。
スペーズに興味を持ってもらい、一緒に楽しんでもらうという意味で、「歌とダンス」というパフォーマンスには大切な役目があります。しかし、それを披露することだけがスペーズの最終的な目標ではありません。
メジャーシーンで活躍できる男装パフォーマーを輩出すること。スペーズの挑戦はまだまだ続きます。
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