「夜、公園」の実は・・・②
黒いマントに身を包んだふたりの変質者が登場する短編劇「夜、公園」は、スペーズの可能性を押し広げたエポックメーキングな短編劇です。
それまでのスペーズは、「さわやかな」という単語が修飾語の筆頭でした。平日昼に働いているお客さんを対象に、夜の公演を行おうという話になりました。そこで出た案が「夜の公演ならではの演目を考えよう」というものです。そのひとつが高月 圭の作品「夜、公園」です。これによりスペーズの修飾語に「アヤしい」という単語が追加されるようになりました。
さて、主人公「黒井」の職業の件です。実は「黒井」は「アナウンサー」であるというのが、作者の高月 圭の設定です。
「見られたい欲望」があったため、アナウンサーという職業を目指したのかもしれません。しかし、アナウンサーになってからも、「見られたい欲望」は満たされることがなく、強くなっていくばかりだったのでしょう。そして、以下のセリフとなるのです。
『そう、僕は見られたい欲望が強すぎて、視線を引き寄せるどころが物質ごと引き寄せるブラックホールを身に宿してしまったのだ。おかげで、僕を見ては吸い込まれる人ばかり。誰が吸い込みたいといった、神よ!おうジーザス!』(高月 圭 作「夜、公園」第一稿より)
以上
0コメント