“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百八十一通目『みんなでケーキを作るようなものです』
◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百八十一通目『みんなでケーキを作るようなものです』
グループ (複数のメンバーで構成されている集団) やチーム (事務所の代表やプロデューサー、マネージャー、コーチとパフォーマーという組織) が、新作を発表したり、舞台を製作したり、公演を企画したりすることは、「みんなで力を合わせてデコレーションケーキを作るようなもの」です。
デコレーションケーキを作るのであれば、まずは材料を揃えなければなりません。
スポンジ生地の材料は薄力粉、卵、グラニュー糖、牛乳、バターです。デコレーションには
生クリーム、グラニュー糖そしてイチゴなどでしょうか。
準備が整えば、材料を合わせて生地を焼き、冷まします。生クリームにグラニュー糖を加え、泡立てます。スライスしたスポンジに生クリームやフルーツを挟み、全体をクリームで包みます。最後に生クリームとイチゴなどで飾り付けを施して完成です。
芸事をお客さんに提供する時は、グループのメンバーやチームのスタッフ、キャストが、それぞれの持ち場において役割分担をして、最高のパフォーマンスの提供を目指します。
君がパフォーマーであれば、自分の歌やダンス、芝居を極限まで磨くことが、与えられた役割だと言えます。
必要なモノを揃え、磨き、組み上げていく様は、最高の食材を準備し、調理することにとても似ています。
一方で、この時に大事なのが、誰が今、どんな準備をどこまで出来ているのかを把握することです。自分だけが高級食材を用意していても、他の人の準備が間に合っていなければ、最良の調理結果は得られません。お互いに何がどこまで進捗しているのかの共有は不可欠です。
つまり、コミュニケーションは密であることが望まれます。
さらに、この時に君や仲間、スタッフは「このケーキはとてもおいしい」と喜んでくれるお客さんの「笑顔」を想像するべきです。時間と費用をかけて作り上げた「パフォーマンス」に熱い歓声と拍手をくれるお客さんひとりひとりの顔をイメージするべきです。
そうすると、その「ケーキ (パフォーマンス)」に対する、「責任感」と「自負」そして「愛情」を感じるはずです。というより、感じるべきです。
その「ケーキ」は決して一人では作ることができません。周りの人たちと歩調を合わせ、協力し合いながらじゃないと作れないのです。みんなで作る「ケーキ」です。自分一人の力では作れません。自分だけでは出来ない事をやろうとしているのです。それは素晴らしいことだと思いませんか?
その「ケーキ」を「おいしい」と言ってくれる誰かの笑顔を想像してください。
それは「素敵なしごと」だと思いませんか?
芸能の世界では、周囲の力を借りて、単独では作れない料理を提供し、誰かを幸せに出来ます。
そして、誰かを幸せにすることで自らの存在意義を確認できるのです。自分の価値を確かめるためなのですから、自分に協力してくれる周囲に対してのリスペクトは欠かせません。
そんな仲間と作る「ケーキ」には君自身が含まれています。その「ケーキ」は君の分身です。だから、その「ケーキ」を君はもっと「愛するべき」だと思いますよ。
以上
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百八十通目」は2025年7月2日の記事
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百八十二通目」は2025年7月16日の記事
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