“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百七十二通目『テレビニュースを真似しよう』


◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百七十二通目『テレビニュースを真似しよう』


 君はMCやフリートークに苦手意識を持っているかもしれません。

 理由はいくつか考えられます。話題がないので何を話していいかわからない。語彙(ごい・ボキャブラリー) が乏しいので、言いたいことがうまく表現できない。丁寧語、尊敬語、謙譲語がよく分からないので恥ずかしいなど。


 すべてを一気に解決することは出来ませんが、あることを習慣にすることでおそらく劇的な効果を期待できる方法があります。


 それは「テレビのニュースキャスターやアナウンサーの真似をすること」です。


 どのニュース番組でもいいです。NHKでも民放でも。昼でも夜でも。女性でも男性でも。テレビを観ながら、キャスターやアナウンサーがしゃべったことをオウムのように真似て自分もしゃべってみるのです。

 君には君の生活のスタイルやサイクルがあるでしょうから、スキマ時間でテレビを観れる瞬間を探してください。毎日、夜、同じ時間にちょうど観られるニュース番組があると具合がいいです。わざわざ予約録画なんかしなくていいです。ニュース番組なんて毎日やっていますから。


 ニュース番組でキャスターが読む報道原稿は性別の区別なく書かれています。なのでキャスターは男女どちらでも構いません。

 彼らが読んだ内容をその場で復唱するだけです。慣れないうちは難しいです。知らない単語も沢山出てくるでしょうから。

 でも、やがて「次に何をどんな風に伝えるか」が分かってくるようになります。報道原稿にはフォーム(書式) という基本ルールがあるからです。

 5W1H (ごだぶりゅーいちえいち) 。「When (いつ)」「Where (どこで)」「Who (だれが)」「What (何を)」「Why (なぜ)」「How (どのように)」したかを伝えるのが報道です。これらをわかりやすく順番に伝えるのが報道のフォームなのです。


 さらにニュースの原稿というものは大きく2つに分かれています。最初に「リード」と呼ばれる部分があり、ここで端的に「何についてのニュース」なのかを伝えます。続いて「本文」があり、ここで改めてニュースの細かい内容を伝えます。

 リードと本文という伝え方に慣れてくると、自分のトークの時にも、これを意識するようになるでしょう。まず、自分の意見や結論を相手に伝え、続いて詳しく説明するという話術が身につきます。


 キャスターやアナウンサーの真似をすることで、まず、格段に語彙が増えます。しゃべり方もしっかりしてくるはずです。

 ニュースを伝える日本語は基本的に丁寧な言葉ですから、丁寧語も把握できます。誰かにインタビューする場面もあるでしょうから、尊敬語や謙譲語の使い方のお手本も得られるでしょう。

 そして何より、今まで縁がなかった政治、経済、国際や事件、社会問題、世相に興味のあるなしに関係なく触れることになるので、話題が増えるはずです。物事を知ることで自分自身に少し自信がつくはずです。

 あと、必要があるかどうかは別ですが、「アナウンサーのモノマネ」という一発芸も獲得できます。


 MCのセンスやフリートークのスキルは一朝一夕では獲得できません。とはいえ、アナウンスの学校に通う費用ももったいないです。

 家にいながらお金をかけずに「しゃべる技術」を身に付ける方法として、「テレビのニュースキャスターやアナウンサーの真似をすること」は本当に効果があります。

 「やってみよう」と思って実践する人と「そんなの意味あるのかな」と疑う人の差は、半年後に明確になります。


 これ、ウソではありません。

                                                以上



「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百七十一通目」は2025年4月30日の記事

「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百七十三通目」は2025年5月14日の記事

男装パフォーマンスユニットSPADES

名古屋・栄を拠点に活動する「男装」のパフォーマンスユニット。 歌・ダンス、芝居、お笑いと幅の広いジャンルで活動しています。 キャッチコピーは「あなたの夢を叶えます」。