“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百二十九通目『心を抉 (えぐ) られるような感動』


◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百二十九通目『魂を抉 (えぐ) られるような感動』


 誰かを「ふ~ん」と思わせた時。それはその人の心に触れた時です。


 誰かに「へー」と言わせた時。それはその人の心を揺さぶった時です。


 「あぁ・・」と誰かの言葉を失わさせた時。それはその人の心を掴んだ時です。



 思わず涙がこぼれるほどの感動を誰かに与えた時。それは心だけでなくその人の魂を抉 (えぐ) った時です。



 誰かの魂を抉れるほどの感動を与えられるパフォーマンスが出来る人は、「そういう感動に遭遇して、自分自身の魂を抉られたことがある人」です。

 君が推すアーティストやパフォーマーは、すべてそういう経験をどこかでしているはずです。そういう体験が、そのアーティストやパフォーマーの一部となっているのです。これは間違いのないことです。


 「そういう感動経験」がない人は、誰かを感動させる境地には至れません。どんなに努力や工夫をしても、技術や知識だけでは得られないものがあるからです。

 もし、「感動経験」なしに誰かの魂を抉ることができる人がいるとしたら、それは所謂 (いわゆる) 「天才」という人です。


 君が「天才」なら、「感動経験」なしに魂を抉るほどの感動を誰かに与えることができるはずです。でも、そうでないならば、君は「感動経験」を求めるべきです。貪欲に。


 魂を抉られた瞬間、言葉もなく、意味も分からず、涙が出ます。


 その瞬間は、誰かのライブパフォーマンスや演劇を観たり、映画やドラマやアニメを観たり、美術館に行ったり本を読んだりした時だけではなく、景色を見た時や何かを食べた時、誰かと会話した時ですら、突然訪れることもあります。


 なので、いつも心を磨いておいてください。感情のアンンテナを張り巡らしておいてください。そして色々なエンタメ作品に能動的に触れにいってください。芸術鑑賞をしてください。旅行に行ってください。多くの人との出会いを求めてください。


 きっと必ずどこかで、君は魂を抉られるほどの強烈な感動に出会うでしょう。


 そういう経験が出来れば、その時の感動を伝えるように、君は誰かの魂を抉る感動を表現できるパフォーマーになれるはずです。

                                                以上



「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百二十八通目」は2024年6月26日の記事

「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百三十通目」は2024年7月10日の記事

男装パフォーマンスユニットSPADES

名古屋・栄を拠点に活動する「男装」のパフォーマンスユニット。 歌・ダンス、芝居、お笑いと幅の広いジャンルで活動しています。 キャッチコピーは「あなたの夢を叶えます」。