“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百二十四通目『パフォーマンスはお客とのコミュニケーション』
◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百二十四通目『パフォーマンスはお客とのコミュニケーション』
ステージで歌やダンス、演技を披露するとき、君は当たり前のように「何を伝えたい」のか、「何を表現したい」のか、「お客さんにどんな気持ちになってもらいたい」のかを考えてパフォーマンスしているはずです。
それは正しいです。
でも、不十分です。
「自分がどうしたい」だけの表現は、「ひとりよがり」の自己満足でしかありません。
客席とステージの間には「授受作用 (じゅじゅさよう)」というものが働いています。エネルギーを授ける側と受ける側です。
このエネルギーの流れは、一方的なものではありません。ステージから客席への一方通行ではなく、客席からステージへもエネルギーは流れています。
ステージの表現を見て、観客は「発見」したり、「感動」したり、「奮い立ったり」、「熱く」なったり、時には「悲しく」なったりします。
そうしてステージのパフォーマーに「共感」します。「共感」はステージのパフォーマーに伝わります。
ステージに還元されたエネルギーはさらにパフォーマーの表現力に影響を与えます。
そうして、パフォーマーはより「大きく」、より「強く」、より「遠く」へ、より「繊細に」、より「正確に」そして、より「熱く」観客になにかを伝えるのです。
このようにステージと客席の間には大きなエネルギーの対流があるのです。
それは、あたかも「会話」のようです。
そうです。「会話」なのです。「コミュニケーション」なのです。
だから「自分がどうしたい」のかだけではなく、「お客さんは、どうなりたいのか」を感じ取ることが大切になります。
パフォーマンスはお客とのコミュニケーションであると考えれば、自然と客席のお客さんの表情や息遣い、鼓動を感じることができるはずです。
そこから「お客さんは、今、こうなりたいのだなぁ」ということを受け取ってください。
コミュニケーションを「楽しみながら」、ステージパフォーマンスが出来れば、君は、もう一段階上の表現者になれるはずです。
以上
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百二十三通目」は2024年5月22日の記事
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百二十五通目」は2024年6月5日の記事
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