“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百十六通目『いつ、どこで、誰が見ているかわからない』


◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百十六通目『いつ、どこで、誰が見ているかわからない』


 君が「芸能の世界の人」であれば、絶対に意識しておかなければならないことがあります。


 「いつ、どこで、誰が君のことを見ているかわからない」ということです。


 ステージの上にいるときは、常に「誰かに見られていること」を意識しているはずです。これは当然のことです。


 ステージからステージ袖に姿を消す瞬間。この時もお客さんは見ています。気を抜いてはいけません。


 舞台袖ではスタッフが君のことを見ています。スタッフさんの評価は厳しいです。緊張感を忘れてはなりません。


 楽屋。誰もいないと思っていても、声が外に聞こえたりします。関係者や共演者に聞かれたりします。注意してください。ステージ上で失敗したりして、悔しいという気持ちから物にあたったりしたくなっても堪えてください。物に八つ当たりした瞬間に誰かが入ってくるかもしれません。その瞬間を見られたら君はアウトです。きっと陰でウワサされます。


 共演者がいなくても同じグループの人がいるかもしれません。同じグループだからといって甘えてはいけません。なんでも許してくれるわけではありません。君がイライラしていると周囲には負のオーラが伝染します。グループの空気が悪くなります。そういうことをコントロールできるといいですよね。


 路上。歩きスマホは危険です。危険なだけでなく、そういう君の姿をお客さんが目撃したりすると、どう思うでしょうか。「ああ、危ないなぁ」「怪我したり、させたりしないかなぁ」「イヤだなぁ。そんなことになってほしくないなぁ」と心配をかけます。君は「自分は大丈夫」と思っているかもしれませんが、他人はそのようには思ってくれません。


 休日。君に相応しくないファッションで出歩いてはいけません。いつ、どんな所で、お客さんに目撃されるかもしれません。「普段とイメージが違う」「私服のセンスがない」「歩き方がカッコ悪い」「髪型がヘン」「メイクが良くない」。そう思われた瞬間、君はファンを失うかもしれないのです。休みの日も「芸能の世界の人」でいる努力は必要です。


 食事。飲食店でお客さんと出会うことはあり得ます。何を食べるかは自由ですが、マナーは気をつけましょう。大声で話したり、笑ったりして周囲に迷惑をかけていてはダメです。節度ある態度で食事をしましょう。印象は大事です。



 結局、誰にも見られないのは、寝室で寝てる時か、お風呂か、お手洗いくらいしかないのです。仕方がないのです。「芸能の世界の人」は「夢を売っている」わけですから。お客さんの夢を壊してはいけません。


 「いつ、どこで、誰が君のことを見ているかわからない」のです。常に意識して生活してください。

 それは「芸能の世界の人」の宿命です。

                                                以上


「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百十五通目」は2024年3月27日の記事

「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百十七通目」は2024年4月10日の記事

男装パフォーマンスユニットSPADES

名古屋・栄を拠点に活動する「男装」のパフォーマンスユニット。 歌・ダンス、芝居、お笑いと幅の広いジャンルで活動しています。 キャッチコピーは「あなたの夢を叶えます」。