“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百二十二通目『“円”と“縁”と“運”』

◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百二十二通目『“円”と“縁”と“運”』

　「芸能の世界」で「売れる」というのは、並大抵のことではありません。

　「芸能の世界」に入っても、きっと99.9999%の人が、いえ、それ以上の人が挫折し、打ちのめされ、諦めてこの世界を去っていくはずです。

　それでも、「何かを得て」「自分に納得できて」「後悔なく」、人生の次のステップに進んでいける人は幸せですし、ひょっとしたら0.0001%の僥倖 (ぎょうこう) に巡り合える人だっているかもしれないのです。

　君はいったいどういう道を歩んでいきたいのでしょうか。

　ところで「芸能の世界」で「売れる」人には、ある特徴があります。

　まず、「努力」ができる人です。

　次に、「工夫」ができる人。

　そして、「諦めない人」です。

　これらは「最低限の条件」だと思ってください。

　そして、そこに次の「3つの “ん”」が、加われば、「売れる」可能性はさらに高まります。

　それが、『“円”と“縁”と“運”』です。

　「円」。

　「円」とは「お金」のことです。

　君自身、もしくは身内あるいは所属の事務所や団体、さらにはスポンサーが「お金を持っていれば」、君のことを売り出しやすくなります。人やモノを動かしたり、宣伝広告を打てば、君の道は開けていくかもしれません。

　しかし、君自身に魅力や能力や技術が足りなければ、いくらお金をかけても顧客をキープしておくことは出来なくなります。

　「円」だけあれば、なんとかなるというわけではありません。

　やはり、「努力」や「工夫」は必須です。

　「縁」と「運」。

　「運」に恵まれている人というのは稀にいます。しかし、これは人の力でコントロールできるものではありません。また、望んで手に入るものでもありません。

　生まれつき「才能に恵まれている」「容姿に恵まれている」「お金持ちの家に生まれた」「良い環境に囲まれた」というのも、コントロールできないという意味では「運」に含まれます。

　でも、「売れる」人が「運に恵まれた」というケースは、いくらでもあります。

　ところが、この「運」を左右できるかもしれないのが、「縁」です。

　「縁」とは「人とのつながり」です。

　人との出会いは「偶然」かもしれません。が、出会った人とのかかわり方、つながり方は君が「コントロール」できることです。二度と会わないのも自由、積極的に関係を強めるのも自由だからです。

　出会った人とのつきあい方次第では、君の「運」が開いていくことはあり得ます。

　もちろん、誰彼構わず人脈を広げればいいということではありません。相手を知り、感じ、考え、学び、恩を返していく中で信頼関係を育み、そうやって人間関係を築いていかなければなりません。時間がかかることもあります。

　しかし、そうやって得ていく「縁」は、必ず君に「何かをもたらします」。

　その時、君がしっかりと「努力」と「工夫」を重ねて、「諦めずに」何かに取り組んでいれば、『必ず道は開きます』。

　これは、「芸能の世界」に限ったことではありません。「人生」においても同じです。

　毎日毎日、「努力」と「工夫」をしてください。「諦めない」でください。

　そして、「円」がなくても、「運」がなくても、「縁」を大事にしてください。

　今、自分の周りにいる人、関りがある人を大切にしてください。

　そういうことが「売れる」には必要なことなのです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上

「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百二十一通目」は2024年5月8日の記事

「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百二十三通目」は2024年5月23日の記事