“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百五通目『知ったかぶりをしてはいけない』
◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百五通目『知ったかぶりをしてはいけない』
「芸能の世界」で「フリをする」ことは大事です。時と場合によっては「出来ない事でも出来るフリ」をしたり、普段の自分とは「違うキャラのフリ」をしたり、体調が悪くても「平気なフリ」をしたり。とにかくいかに上手に「フリをする」かが問われるのが「芸能の世界」です。
ただ、そんな「芸能の世界」でも、ひとつだけしてはいけない「フリ」があります。
それは「知ったかぶり」です。この「フリ」は百害あって一利なしの「フリ」です。
先日、芸能人たちが、自身に「一流の素養」があるかどうかを競うテレビ番組が放送されていました。
ある男性タレントが、「一流店のマグロの握り寿司はどれか」を見極める設問に挑んでいました。選択肢は3つ。「一流店のもの」「並みの店のもの」「マグロではない握り寿司」。
この男性タレントは、料理のレギュラー番組を持っている人ですので、誰もが当然のように正解するだろうと期待していました。
3つの選択肢を試食し、それぞれに解説をつけ、「これが一流の料理店のマグロの握り寿司だと思います」とひとつの皿を示しました。
結果は不正解。彼が「マグロ」と確信をもって選んだのは、「カツオの握り寿司」だったのです。これには番組共演者たちも騒然となりました。
懸念されるのはこの男性タレントの今後です。あたかも見抜いているかのように「ネタの特徴」を解説していたのに、本当は「マグロ」と「カツオ」の区別も出来ない舌の持ち主だということがバレてしまったのです。
そんな味覚の持ち主がMCを務める料理番組に、視聴者はどれほどの信頼感を持つでしょうか? そして、そんなタレントに今後、食品関係のCM出演の依頼が来るでしょうか・・・
本当は「わからない」のにつまらない見栄で「わかるフリ」をしてしまったことの代償はきっと小さくはないと思います。
さて、君の場合です。例えば、MCの最中で「〇〇という都市はどこの首都だっけ?」という会話になったとしましょう。「どこかで聞いたことがあるぞ」と君は思うかもしれません。
しかし、「明確な答え」が思い浮かばない時や、あるいは「わかるかもしれない」と思った時でも、「本当に正解を言える自信がない」のであれば、君は「あ~、聞いたことあるんだけどなぁ、どこだったっけ」などと発言してはいけません。
結果として「正解」を口にだすことができればセーフですが、「思い出せない場合」は恥をかき、自分の評価を下げるだけです。
ましてや、なんとなく曖昧な記憶で発言した答えが「間違って」いた場合は最悪です。カッコ悪いだけでなく、「知ったかぶり」しているたいして物知りでもない人という評価を下されてしまいます。
自分で自分の価値を下げる。それは避けなければなりません。
はっきりわからないことには「わからない」と言い、はっきりと知らないことには「知りません」と言う。
そういう勇気も必要ですよ。
「芸能の世界」では「知ったかぶりをしてはいけない」と思ってください。
以上
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百四通目」は2024年1月10日の記事
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百六通目」は2024年1月24日の記事
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