“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 九十七通目『先生の質問に「わかりません」はNG』


◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 九十七通目『先生の質問に「わかりません」はNG』


 稽古中の先生に対して「ここが “わかりません”。教えてください」と「質問する」のはGOODです。

 芸に対して前向きで、向上心があると評価されるでしょう。

 理解できないこと、納得がいかないこと、うまく出来ないことはどんどん質問するべきです。

 そうやって吸収して、自分の引き出しを増やし、知識と技術を身に付けていけば、君のパフォーマンスは日に日に良いものになっていくはずです。



 一方、先生から稽古中に「何かわからないことがありますか?」とか「ここの部分を君はどう思っていますか?」とか「どんな風に表現したいですか?」とか「やってみて違和感を覚えるところはありますか?」などと質問された時に「“わかりません”」と答えるのは絶対にNGです。


 それは自分の芸に対して「何も考えていない」「課題を持って臨んでいない」「良くしようと思っていない」「成り行きでやっているだけで真剣に打ち込んでいない」ということを白状しているのと同義です。

 「何かわからないことがありますか?」と先生から質問されて「わかりません」と返答するということは、「何も考えていません」だったり「わからないところがわかりません」と言っているということです。


 つまり、自分の芸を磨いていこうと思っていない愚かな人ということです。


 

 ふた昔前なら、そういう返答をすれば即座に先生から「馬鹿野郎!! お前なんか芸能やめてしまえ!! そんなヤツが、のし上がっていけるほど芸能の世界は甘くない!!」と罵倒されているはずです。

 最近ではコンプライアンス上の問題があったり、年代によってはメンタルを病んだりするので、生徒を罵る先生はいなくなりました。(たぶん)

 しかし、「そういう返答をする人が、のし上がっていけるほど芸能の世界は甘くない」という事実は不変です。

 自分の芸に対して常に向き合っていなければ、技術は向上しませんし、他者との競争に勝っていくことなどは到底出来ません。



 さらに、もし君がプロデューサーやディレクター、あるいはクライアントから「君はどう思う?」と聞かれた時に、「わかりません」と言った瞬間、もう二度と「仕事はもらえない」と思ってください。

 信頼されて仕事を任されているのに、雇用主やビジネスの責任者から考えを求められて「何も考えていません」と答える無責任な人と「また一緒に仕事がしたい」と思う人などいないからです。

 「ああ、コイツは使えないな」と思われたくないですよね。



 ということで、君は誰かから「どう思いますか?」と質問されて「わかりません」と答えるような人にはならないでくださいね。

                                                以上



「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 九十六通目」は2023年11月15日の記事

「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 九十八通目」は2023年11月29日の記事

男装パフォーマンスユニットSPADES

名古屋・栄を拠点に活動する「男装」のパフォーマンスユニット。 歌・ダンス、芝居、お笑いと幅の広いジャンルで活動しています。 キャッチコピーは「あなたの夢を叶えます」。