“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 九十三通目『君が無理していることは知っている』
◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 九十三通目『君が無理していることは知っている』
ファンから「無理しないでね」と言われれば、君は「無理してないよ」と言うでしょう。
「大丈夫?」と気遣われれば「大丈夫だよ」と答えるでしょう。
でも、わかっています。本当は「無理をしている」し、「大丈夫じゃない」かもしれないことを。
それでも君はファンを心配させてはならないと知っているので、「無理なんかしてないよ」と平気そうな顔をしているんですよね。
そもそも「芸能の世界」は普通の人では立ち入れない世界です。「普通の生活」をしていてはステージには上がれません。
普通の人が遊んでいる時に稽古をして、普通の人が寝ている時に練習しています。時としては睡眠時間を削ってまでして、芸を磨かなければなりません。
そうまでしなければ、君が「芸能の世界」で生き残っていくことなどできないからです。
よほど天賦の才に恵まれているか、資産家の子供なのか、強力な縁故がなければ、「芸能の世界」にいる人は誰も皆、「無理をしている」に決まっているのです。
そうまでして得たい何かが君にはあるのでしょうし、なりたい何者かの姿があるのでしょう。
自分で選んだ道です。どこまで無理できるのかを判断できるのは君自身です。これはもう大丈夫じゃないなと諦めることができるのも君だけです。
自分の限界を超え続けることができなくなった時、君は「芸能の世界」を諦めることができます。「ここまでやっても無理だったか」と、自分の能力の有無を知ることができます。「普通の人の世界」を飛び出ることが出来なかったかと観念する日が来るのかもしれません。
しかし、その日が来るまで。無理をして頑張っている君に、あえて言います。「頑張れ!!」と。
そうやって応援して、出来ることのすべてをもって君を支え続けていきましょう。
それが「無理をして」「大丈夫じゃないかもしれないけど」「頑張っている」君に、してあげられるただ一つのことなのですから。
以上
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 九十二通目」は2023年10月18日の記事
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 九十四通目」は2023年11月1日の記事
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