“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 七十通目『MCは「作る」のではなく「生む」』
◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 七十通目『MCは「作る」のではなく「生む」』
「MC」とは「masters of ceremonies」の略です。行事や式典、イベントや会合などの進行を司る役目です。つまり司会者のことです。
アイドルイベントでは「単に曲と曲との間のトーク」として解釈されているようです。
グループやアーティストの活動が長く続くかどうかは、そのMCを見るとわかります。MCがちゃんとしているグループはわりと存続していきます。一方、MCがグダグダなところほど活動は長く続きません。これは本当にそうなので、よく観察してみてください。
MCにはグループ内の空気が反映されます。よくコミュニケーションがとれているグループはMCの雰囲気も良く、内容も充実しています。
そうでないところのMCトークは雑で連携も悪く、内容も薄く、あってもなくても良いような場つなぎでしかありません。
君もステージ上でMCが必要な時があると思います。そういう時はメンバーと良く話し合ってください。
MCで一番伝えなければならないのは「告知」や「連絡」「報告」です。まず最初に「お知らせしなければならないこと」は何か。「誰が」「どういう順番」でそれを伝えるか。
その次は「話題」です。「最近の出来事」や「観客との共通経験」などが「ネタ」になります。
この際、注意しておかなければならないことがあります。「話題」や「ネタ」をネット検索で得た情報だけで組み立ててはいけない、ということです。
検索して得た情報は内容が充実しているように錯覚してしまいます。しかし、「調べれば誰でもわかる」ことだけを観客に伝えても、観客には価値のないトークにしかなりません。
そこには君の「体験」や「経験」、「感想」や「考え」、「意見」などが加わっていないとダメなのです。
なぜなら観客が聞きたいのは「検索情報」ではなく「君のこと」だからなのです。
MCを組み立てる時、「ネタ」が決まったらメンバーとよくディスカッションしてください。「ネタ」と「自分たちのこと」をすり合わせて「生まれてくる会話」こそがMCで観客が聞きたい「トーク」なのです。
そうです。MCは「作る」というより「生まれる」というカンジのものなのです。
以上
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 六十九通目」は2023年5月10日の記事
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 〇通目」は2023年5月24日の記事
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