“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 六十六通目『その一瞬を見られている』
◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 六十六通目『その一瞬を見られている』
残心 (ざんしん) という言葉があります。日本の武道や芸道において用いられる言葉です。技を終えた後も心が途切れないという意味です。「美しい所作」の継続とも解釈できます。
例えば、すべての演目の披露を終えてステージから去るとき、自分の姿が見えなくなる瞬間と見えなくなった後までも、まだステージの上に自分がいるつもりでいなくてはなりません。「終わった~」と気を抜いて、パフォーマーの顔から自分の素の顔に戻ってはいけないのです。
つまり本当に最後の一瞬以降も「自分は見られている」という意識でいなくてはならない、ということです。
ポイントはココです。お客さんは「その一瞬を見逃さない」というトコロです。
キミが気を抜いて「素のキミ」でいる一瞬。その一瞬の油断が命取りになるのです。
自分がステージに出ていない時の舞台袖。交流会・特典会でお客さんと接していない時。出番待ちの廊下で誰かと話をしている時。スマホに集中している時。コンビニで買い物をしている時。さらには休日に街で歩いている時までも。
いついかなる場面においても「自分はパフォーマーなのだ」という意識を持ち続けていなくてはならないのです。
お客さんに「夢を与える商売」なのですから、決してリアルな自分を見せてはいけません。素のままの自分を好きになってほしいと思うのであれば、芸能の人である必要はないですよね。そんな人はプロのパフォーマーを辞めたほうがいいです。
お客さんは自分の思いもかけない一瞬を見ています。常に「見られている」という気持ちでパフォーマーの振る舞いをするように心掛けていてください。
以上
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 六十五通目」は2022年4月12日の記事
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 六十七通目」は2022年4月26日の記事
0コメント