“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 六十五通目『うまく出来た時の感覚を体に刻む』
◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 六十五通目『うまく出来た時の感覚を体に刻む』
君が芸能の稽古をするようになって日が浅い場合、「いくら稽古をやっても習得できない」という時期があるかもしれません。
歌やダンスや演技は芸能とは縁がない日常生活の中では習得する機会も必要性もありません。だから、まったく馴染みがないはずです。
そういったものを身に付けようというのですから、「どうやって習得したらいいかわからない」ということがあっても仕方ないことです。恥じることも申し訳ないと思うこともありません。
とはいえ、芸能の世界ですから、いつまでも「わからない」「出来ない」ということでは困ります。「出来るようにならなければ」ならないのです。
そのためには「反復練習」しかありません。これは基本です。ただ、闇雲に繰り返せば良いというわけではありません。基本や手本を無視して反復しても正しい技能は身に付きません。
大切なのは基本や手本に忠実であろうとする意識と工夫です。
一人で練習するときには録音や録画を活用するでしょう。稽古場にいる時には先生の動きと自分の動きを鏡を通して比べながら修正していくはずです。
そして、ある時、手本どおりの動きが出来る瞬間が訪れます。それはだいたい突然訪れるのです。
この時の感覚を頭と体に刻み付けてください。
体の部位のどこがどんなふうだったか。痛いのかひねられているのか伸びているのか。口に出して言葉にするとどう表現できるのか。
「肩甲骨が開くカンジ」とか「つま先が伸びて床から浮くカンジ」とか「タンタンジンギスカーンってリズムにのせたカンジ」とか。
重要なのは自分がシックリくる「自分の言葉」で表現することです。
そして、その時の感覚をその「言葉」と共に体に刻みつけてください。「ああ、体のココがこうなってる時に上手く出来てるんだな」と、しっかりと記憶してください。
次の「反復練習」ではその「感覚」を確実に再生できるように練習するのです。そういったことを繰り返す。これが「習得」するための方法です。
以上
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 六十四通目」は2023年4月5日の記事
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 六十六通目」は2023年4月19日の記事
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