“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百八十通目『稽古は休まない』
◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百八十通目『稽古は休まない』
今更、当たり前のようなことを伝えますが、「稽古を休んではいけません」。
稽古なくして、本番はありません。
稽古に出ない人に舞台に上がる資格はありません。自分の芸を磨かない人が、お客さんからお金を頂いてはいけないからです。
稽古場は日々の「自宅での練習」の成果をさらに磨く場所です。稽古場で “練習” をしているようではいけません。先生に失礼です。同僚、メンバーにも失礼です。稽古をナメてもらってはダメです。
古い考えでもなんでもなく、感染しない疾病でないなら、多少の体調不良や怪我でも、稽古場に来て、見学するくらいの強い意思を持たないと「上にはいけません」。貪欲に「何かを吸収してやろう」という気持ちがないと「自分を磨けません」。
そもそも「本番時」に体調が悪くなることもあるわけですから、「体調が悪くても舞台に上がる」という「稽古」も必要です。君の芸を楽しみにしているお客さんには関係のないことですから。
「稽古を1日休むと10日遅れる」と言われています。
脳科学的にも根拠はあります。稽古で鍛えられたり、磨かれる神経の反応が落ちるからです。言葉を変えると「カンがにぶる」ということです。
本番での「カン」。稽古での「カン」。折角磨いてきた技術や体の動きは、日々、動かし続けていないと衰えます。つまり、体自体が衰える、ということです。
そもそも、芸能の道を進む人は、普通の人とは違うことを体現しなければならないわけですから、毎日の鍛錬、精進が欠かせません。
また、稽古を休んだり、稽古時刻に遅刻するだけでも「申し訳ない」という気持ちが「自分を卑屈」にしてしまいます。これはよくありません。遠慮なくのびのびと鍛錬に励まなくてはいけないのに、どこかに「すみません」という気持ちがあったのでは、「十分に自分を磨けない」のです。
君にはそんな思いをしてほしくありません。
自分のためにも、自分を応援してくれる人達のためにも、「稽古は休んではいけない」のです。
以上
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百七十九通目」は2025年6月25日の記事
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百八十一通目」は2025年7月9日の記事
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