アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 四十九通目『省略して伝える』
◆アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 四十九通目『省略して伝える』
話術 (話し方の技術) の話です。
君は「省略して伝える」ことを意識していますか?
「一から十まで」の出来事を他人に伝える時に丁寧に「一から十まで」を話す人は「要領が悪い人」です。
ただ、一般人であるならば、「要領が悪い」こと自体は悪いことでも問題でもありません。
しかし、芸能の世界の人であるならば、話は違います。面白いトーク、伝わるトークが求められるわけですから、「一から十まで」を話しているわけにはいきません。
「一から十まで」の中の「どこを話すのが効果的か」、「いらない部分はどこか」を瞬時に判断しなければなりません。
例えば「一から十まで」の中の「五の部分」が「伝えるべき部分」と判断したとしましょう。次には「五の部分」をより分かりやすく伝えるためには「四の部分」が必要不可欠と判断したとします。
そうすると、「一から三まで」と「六から十」までは「省略する」ことになります。
「一から十まで」の話を「大胆に省略」するけど「四と五の部分」を「強調して」伝えることができるから「OK」ということになるわけです。
先日、ラジオでお笑い芸人のオードリー・若林さんが楽屋で悪ふざけをする爆笑問題・太田さんを取り押さえるために (もちろん冗談で)「刺股」をテレビ局に持ち込んだという話をしていました。
局内で人とすれ違うたびに「自分で買いました」と若林さんは説明したと言っていましたが、実は「別の番組で使用するためにスタッフが購入したものだが、一応、自分で選択したもの」で「どの番組で何のために使うもの」だったのかもラジオ番組では説明をしていました。
「そんな細かいこと言ってると、『太田さんを押さえるために買った』ということより『別の番組の話』の方が、聞いた人は気になっちゃうでしょ」と若林さんは話していました。
「省略して伝える」ということはそういうことなのです。
本当は「自分が買った」わけではないけど、「自分が選んだ」ことは事実だし、すれ違う人に一番伝えたいのは「太田さんを取り押さえるため」ということなわけですから、それ以外のコトは省いてしまったほうが良いと判断した、ということです。
芸能の世界の話術としてだけでなく、日常の生活においても「省略して伝える」ことができると他人とのコミュニケーションはもっとうまくいくと思います。
「省略して伝える」力を是非、身に付けてください。
以上
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 四十八通目」は2022年12月14日の記事
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 五十通目」は2022年12月28日の記事
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