成長する化学反応
メンバーの色々な部分はいつの間にか成長しています。元々「そういうところはあったよね」という部分はやがて「強み」となって発現してきます。
2022年7月17日 (日)の定期公演「スペーズワンマンショー 95 納涼編」 @ ROXX栄 (名古屋・栄)でも、そういう一場面がありました。
「夏休みっぽいもののひとつに “こども電話相談室” があるので、これをネタにしたい」とメンバーから相談がありました。キャストをどう考えているのかを質問しました。「電話相談員は涼かな」という回答に「なるほど」とメンバーの狙いが読み取れました。
桐山 涼の「即時対応力」はメンバーで一番です。スペーズのプロジェクト立ち上げ当時から、「インプロ王子」と異名されるほど、アドリブには光るものがあります。
演目「いきなり!! 電話相談室」は、事前打ち合わせのない質問を電話相談員・涼に投げかけ、涼が、どういう回答をするかを楽しんでもらおう、という小芝居ネタとして披露することになりました。
「高月 圭と鈴川 彰が交互に涼に電話をする子供」。「矢継ぎ早の質問にノイローゼになりそうな涼が一方的に電話を切り、自分が電話相談室に相談の電話をかけてしまう」という構成のみを決めました。
事前の稽古ではその構成の中で「質問内容だけは毎回変更して」芝居を作りました。電話のかけ方、受け方、仕草、表情などディティールだけは磨いていきました。その中で、「質問」と「回答」だけは、毎回アドリブで稽古を重ねていきました。
迎えた本番。圭と彰からの予想もつかない質問に涼が反応していきます。会場からも笑い声が聞こえてきます。ほとんどのお客さんには「涼のこの反応はアドリブだな」ということがわかってもらえている様子です。狙いとしては「当たった」といえるでしょう。
「アダムとイブ」についての質問に対して涼が「そう来たか」という回答をしました。お客さんにはウケていました。「お見事」と思いました。
そして、この時、「おお!!」という出来事がありました。
次は彰が新たな質問をするターンでした。「アダムとイブっていえば、リンゴだよね。ねーねー、“リンゴが赤くなるとお医者さんが青くなる”って、どういうこと?」と質問をしました。
この質問、実は稽古の時に一度使った質問でした。しかし、稽古時に涼は正解を知らされていなかったので、彰はあえて「アダムとイプ」きっかけで「リンゴ」を持ち出したのです。
鈴川 彰はスペーズ内では一番の「雑学王」です。彼でなければ「リンゴが赤く・・・」という質問は出せなかったでしょう。
涼は正解を答えられなかったものの、上手に反応し、笑いをとっていました。
予定調和ではない化学反応が起こった瞬間でした。
以前であれば、おそらく終演後の反省会で「アダムとイブといえばリンゴでしょ。あそこでリンゴの質問を持ち出せばよかったのにね」と「出来なかったことに対して」の指導をしていたはずです。
しかし、今回は「あの質問は、よく出てきたね」と評価することになりました。
いつの間にか、メンバーは力を付けてきているのだなと感じました。
ちなみに。“リンゴが赤くなるとお医者さんが青くなる”とは、一日一個リンゴを食べれば、医者がいらないほど健康でいられる、という意味のことわざです。
以上
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