“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 三十通目『君に共感力はあるか』
◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 三十通目『君に共感力はあるか』
「共感力」とは、「自分の経験から相手の抱いている感情を理解し、相手と同じような感情になって寄り添う力」のことです。
君には「共感力」はありますか?
パフォーマーとして、「共感力」があるかないかでは、大きな差が生まれます。
パフォーマーはなにより相手に「伝える力」を持っていなければなりません。伝えるための技術として、歌唱力やダンススキル、演技力などを磨いていると思います。
それらは大変重要な力です。それらが身につくだけで、仲間や共演者、お客さんにたくさんのことを伝えられるようになります。
しかし、「伝える」上で、見逃してはならない「力」があります。それが「共感力」です。
相手が「今、何を考えているか」、「何を感じているか」、「どうしたら感情に変化が生まれるのか」。
そういったことが「わかる」のと「わからない」のでは、大きな違いがあります。どんなに歌が上手になっても、ダンスが綺麗に踊れても、セリフを覚えても、段取りどおりに演技が出来ても「相手の心がわからなければ無意味」なのです。
相手の心が「わかれば」、相手の心を「動かしやすく」なれます。
相手の心をわかろうとするために必要なのが「共感力」なのです。
「共感力」がない人のダンスや歌はいまひとつ伝わってきません。どう表現したら見たり聞いたりする人の心に届くのかを、パフォーマーが想像できていないためです。
「共感力」がない人の演技は、どんなに「正確」で「段取りとおり」にセリフや動きを再生できても、表面的な演技にしかなりません。見る人の心を動かすことはできないのです。
また、共演する役者との「演技のキャッチボール」もできないので、見ていて楽しい芝居にはならないのです。役者同士がお互いの「心がわかっていない」ことから起こる現象です。
技術的な力がどんなに身についても、「人の心」がわからなければ、パフォーマーとして上のランクには上がれないのです。
「共感力」の大切さをわかってくれるといいですね。
さて、「共感力」を高めるトレーニング方法は一般には色々あるように紹介されています。しかし、実際にすべきことは極めてシンプルです。
「常に他人をよく観察すること」そして、「自分の中に他者を取り込み、他人の気持ちを想像すること」。
これに尽きると言えます。
今日から君の「共感力」を高めてください。
以上
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 二十九通目」は2022年8月3日の記事
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 三十一通目」は2022年8月17日の記事
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