練習生という制度

 男装パフォーマンスユニット「SPADES」(スペーズ)には「練習生」という身分があります。


 「練習生制度」はコロナ禍で作り出された制度です。メンバー採用のオーディションができなくなったため、「書類選考通過者」は簡単な「面談」後、すぐにスペーズの練習に参加できる仕組みです。

 「面談」は応募した人がスペーズ製作委員会に対して質問をする場なので、「面接」ではありません。つまり歌やダンス、演技力の「実技審査」はない、ということです。


 この制度の「練習生」にとってのメリットは、「実技審査がない」ということと「実際にどんな稽古をしているか」を体験できるということです。「実技審査」がないため、芸能の経験がなくても、参加しやすくなっています。


 そして、その結果、「自分に合わない」と思った人は、自由に辞められます。「練習生」は、「まず、練習で参加してみる人」なので、「正規のメンバー」ではありませんから、遠慮なく辞められます。「練習生」は自由な選択ができるということです。

 ただ、「練習生」には、できるだけスペーズのことを知ってもらいたいので、機会があれば本番のステージにも立ってもらいます。その際は「サポートメンバー」という呼称で「正規メンバー」の待遇とは線引きをします。

 「サポートメンバー」経験を経て、さらにやる気があれば、「正規メンバー」になることを目指して、稽古に精進することになります。

 

 「練習生制度」は、スペーズ製作委員会にもメリットがあります。オーディションに向けて、多数の関係者 (応募者、審査員、スタッフ) のスケジュール調整が不要ですし、新型コロナウイルスの感染の懸念が軽減されます。


 なによりも「応募者をオーディションで篩 (ふるい) にかけなくてもいい」ことは大きいと思います。


 オーディションでは、歌唱力、ダンススキル、演技力、自己アピール力などが審査されます。その結果、不合格になる場合もあります。しかし、実際には未経験者でも合格後の稽古で歌がうまくなったり、リズム感が身についたり、芝居ができるようになったりすることはあります。そういった後天的に身につく能力まではオーディションではジャッジできないものです。


 そういう意味では、「練習生制度」は、「才能 (タレント)」を見つけ出すためには、良い仕組みだと考えます。


 残念ながら、「練習生」になって活動を経験してみると、想像していたより「プライベートのスケジュールとスペーズ活動のスケジュールの両立が難しい」とわかる人が多く、「サポートメンバー」から「次のステップ」に進む人は、いまだに現れていません。


 しかし、「練習生制度」は、今後も継続させ、「可能性のあるい才能」との出会いを待っています。

                                               以上


男装パフォーマンスユニットSPADES

名古屋・栄を拠点に活動する「男装」のパフォーマンスユニット。 歌・ダンス、芝居、お笑いと幅の広いジャンルで活動しています。 キャッチコピーは「あなたの夢を叶えます」。