日本一の男装タレントは「まだいない」
日本のテレビ放送が始まったのは1953年2月1日です。それからちょうど70年。テレビは様々な出来事を人々に伝えてきました。そして、テレビの画面の中で活躍する多くの才能を生み出してきました。
個性的なタレントはたくさんいますが、ひと際異彩を放つタレントが2005年ごろから注目を集め出しました。そして、その人は、あれよあれよという間に芸能界の頂に登りつめました。
「マツコ・デラックス」さんです。
女装家で性的マイノリティであることを公言し隠さないキャラクターは、一時期、月曜から日曜日までどの曜日にも冠番組を持つほど受け入れられるようになりました。
昭和・平成の時代を通して、性的マイノリティのタレントがお茶の間の人気者になった例はいくつかありますが、これほどまでに多くの人に支持されるようになるとは誰が想像できたでしょうか。
世の中がずいぶん変化したのだなということだと思います。
ところが、ここでひとつの疑念が生じます。
「あれ? マツコさんは、そもそも “中身が男性” の人だよね。マツコさんのようにメジャーな “中身が女性” のタレントさんっていたっけ?」
そうです。「いない」のです。「まだ」。。。
テレビの世界はこれから何年かのうちに必ず変化していきます。変化が起こることは「70年の歴史」が証明しています。
そして、SDGsの目標のひとつには「ジェンダー平等」が掲げられています。
また、性的マイノリティへの理解増進を目的とする議員立法「LGBT理解増進法案」をめぐるニュースも取り沙汰されています。
つまり、世の中は「そういう方向」に進んでいるのです。
「男装」する人すべてが性的マイノリティではありません。ここは誤解を生まないようにしなくてはいけないところです。多様性が重視される時代において「趣味や嗜好」として「男装」が広がることは歓迎されるべきです。
でも、まだまだ世間には「男装」と「性的マイノリティ」を結びつけたがる人が多くいることも事実です。とてもデリケートな問題だと思います。
いずれにしても、やがて「オピニオンリーダー」の存在が求められるようになるはずです。「マツコさんの女性バージョン」のような人がいれば、世の中の人たちの理解はもっと深まり、「あ、自分の周囲にもいっぱいいるよ、そういった人たちは」とごくごく日常的なことになっていくでしょう。
おそらくセクシュアリティがどうであるのかは特に関係ありません。「男装」して、自分の考えをはっきりと発信できるタレントであれば。きっと、その人の存在が多くの人を「生きやすくする」はずです。それはとてもスゴイことだと思います。
これから「日本一のダンサーや歌手や俳優」になるのはなかなか簡単なコトではないでしょう。でも、今ならまだ「日本一の男装タレント」になることは不可能ではないと思います。
マツコ・デラックスさんが初めての冠番組「マツコの部屋」を持ったのは、マツコさんが37歳のときのことです。
出来ることなら男装パフォーマンスユニット「SPADES」(スペーズ)から「日本一の男装タレント」が育っていくことを期待したいです。
以上
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