“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 六通目『親の死に目に・・・』

◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 六通目『親の死に目に・・・』


 芸能で活動する君が「売れる」「人気が出る」ということはイコール「お客さんが増える」「支持してくれるファンが増える」ということです。これはさらに「君の価値が高まる」ということであり、イコール「君の代替品はない」ということであります。

 芸能の世界においての商品は「自分自身」です。「代えのきかない存在」だからこそ、「推しの対象」になり、「憧れの存在」になるのです。

 

 ふた昔以上前だと「芸能人は親の死に目にも会えない商売だ」と言われていました。今の世の中はスマホをはじめとした通信機器が発達していますので、緊急の時には連絡がつきやすくなっていますから、本当に「親の死に目に会えない」というケースは減ってきていると思います。

 でも、「売れれば」、君は「代えのきかない存在」になるわけですから、本番の舞台やドラマ、CMの撮影など、簡単には「穴」を開けられません。自分がいなくなれば、たくさんの人に迷惑をかけ、損害を与えることになります。身内に何かがあっても、簡単に現場を離れることはしにくいでしょう。

 ひょっとしたら、今はまだ「代えのきく存在」ですから、「自分がいなくてもなんとかなる」と思っているかもしれません。確かにその通りなのかもしれません。でも、一度でも仕事に穴を開けると「君の『信頼』は大きく損なわれます」。その信頼を回復するのは、きっと簡単ではありません。なので、そういうことはないようにしたいですよね。


 「芸能」は「自分自身」が商品です。「親の死に目に会えない」ことを覚悟するくらい責任感を「お客さん」や「ファン」、「クライアント」、「チームメイト」に対して持ってください。そうやって、一度引き受けた仕事に取り組んでください。

                                                 以上



「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 五通目」は2022年3月3日の記事 

 「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 七通目」は2022年3月11日の記事

男装パフォーマンスユニットSPADES

名古屋・栄を拠点に活動する「男装」のパフォーマンスユニット。 歌・ダンス、芝居、お笑いと幅の広いジャンルで活動しています。 キャッチコピーは「あなたの夢を叶えます」。