「ダイナゴヤ」の実は・・・③

 スペーズの楽曲「ダイナゴヤ」は、昭和の「ムード歌謡」にオマージュを捧げるものです。今では流行らなくなってしまった楽曲のスタイルをスペーズ風に復活させようという試みです。

 

 「ムード歌謡」に限ったものではありませんが、曲のイントロで「口上」を述べるのも今では失われた文化です。口上では歌のイメージを膨らませたり、歌い手の情報や近況を伝えたりします。昭和の時代にテレビで人気があった歌番組では、司会者がイントロの尺ピッタリに口上を述べていました。観客や視聴者を歌の世界観に引き込む見事な職人芸です。

 スペーズではメンバーが時々、口上に「アドリブ」を交えます。ライブでは、そのあたりも楽しんでください。


 また、「ムード歌謡」は、男性グループの演奏がとてもよく似合うジャンルです。メインボーカルの歌を男性コーラスが盛り上げます。コーラスには「ドゥーワップ」と呼ばれる手法が多様されます。「ドゥーワップ」は1950年代のアメリカのリズムアンドブルースから生まれました。メインソロのバックにハミング風のコーラスがリズミカルにからみます。「♪シュビドゥワ」とか「♪パッパヤ」とか。あと、「♪ウ~」とか「♪ア~」というのもそうです。

 「ダイナゴヤ」のコーラス隊は、かなり忙しく歌っています。これには実はウラ話があります。「ドゥーワッップ調のコーラスを入れてください」というオーダーに対して、作曲者が遊び心で様々なコーラスを入れてきました。「ピッタリくるコーラスを選んでください」という意図だったのですが、「こんなに色々なコーラスが入っている曲は聞いたことがないから面白い」ということで「全部採用」になったのです。

 結果、コーラス隊はメインボーカルに負けないくらい忙しくなっています。


 「余所がやっていないことに挑戦する」のが、スペーズっぽいと思います。

 今では廃れてしまった「口上」や「ドゥーワップ」を盛り込むことが、スペーズなりの「昭和ムード歌謡」へのオマージュなのです。

 

 

男装パフォーマンスユニットSPADES

名古屋・栄を拠点に活動する「男装」のパフォーマンスユニット。 歌・ダンス、芝居、お笑いと幅の広いジャンルで活動しています。 キャッチコピーは「あなたの夢を叶えます」。