超えるべき壁 「157人の集客」

 「集客」と「動員」。アイドル業界では、この二つの言葉の「違い」をあまり意識していません。どちらも「来場者が何人であったか」を伝えるもので、「〇人集客」と「〇人動員」だと、なんとなく「〇人動員!!」と言ったほうが、勢いがあるかな、程度のことだと思います。

 イベント業界などでは、「動員」という単語には、「意識して集める」というニュアンスが込められることがあります。たとえば、イベントのスポンサーの手前、目標の入場者数に到達させるため「ちょっと動員しよう」と言って (「集客しよう」と言うこともありますが・・・) 、あちこちに声をかけてイベントに来てもらったり、招待客を増やして、見かけの入場者数を増やすということをします。

 「客が集まる」のと「動いて客を集める」のと、若干のニュアンスの差が存在するのです。


 2019年の年頭のライブでスペーズのメンバーが、突然お客さんの前で「今年、年末のワンマンライブでは、このライブハウスを100人のお客さんで、いっばいにします!!」と宣言しました。

 「100人計画」と呼ばれる1年間のプロモーション活動の結果、2019年12月15日(日) の「スペーズ定期公演 SPADES76」の会場・ライブハウス「MUJICA」(名古屋・栄)は、「157人の有料入場客」で埋め尽くされました。

 「157人」という数字は、「動員」した数ではなく、「集客数」です。運営側は、あえて誰も招待しませんでした。その時のメンバーの力量と男装パフォーマンスグループというプロジェクトの将来性を知りたかったからです。

 当日までのメンバーの集客の予想数字は80人くらいでした。それまでに販売した前売りチケットと当日の来場が予想されるお客さんの数を合わせても「100人いかないかもな」という雰囲気でした。

 当日、開場してみるとその予測は覆されました。いつも応援してくれるているお客さんだけではなく、1年間のプロモーション活動で知り合った人たちや関係者、さらに親しくしていただいているアイドルグループのメンバーや、そのお客さんまでが集まってくれたのです。感動しました。

 結果として、目標100人をはるかに超える157人のお客さんにスペーズの1年間の集大成のライブをご覧いただいたのです。157人の観客。目に焼き付いている光景です。

 2020年は、その勢いに乗って積極的に活動していくぞー!! と思っていた矢先、新型コロナウイルス感染症の流行が急速に広がっていき、スペーズも活動を自粛せざるを得ませんでした。

 2022年に活動の本格的再始動を計画しているスペーズにとって、「157人の集客」は、超えるべき壁として目の前にあるのです。

男装パフォーマンスユニットSPADES

名古屋・栄を拠点に活動する「男装」のパフォーマンスユニット。 歌・ダンス、芝居、お笑いと幅の広いジャンルで活動しています。 キャッチコピーは「あなたの夢を叶えます」。