令和のSMAP
「彼らを “平成のドリフターズ” に育ててほしい」。その言葉と共に芸能事務所からテレビ局に託された男性アイドルグループがいました。彼らはグループ名を冠するレギュラー番組で様々な経験をすることにより、ついには国民的スターになりました。
そのグループは「SMAP」(スマップ)です。2016年に解散するまでの20年間、毎週月曜日の夜にフジテレビ系列で放送されていたバラエティ番組が「SMAP×SMAP」(以下、スマスマ)です。
一方、「ザ・ドリフターズ」は、いかりや長介(故人)をリーダーとする5人組のコントグループ (そもそもは音楽バンド) です。加藤茶、志村けん(故人) らが所属し、1970年代から1980年代に「8時だョ!全員集合」や「ドリフ大爆笑」などのテレビ番組で人気がありました。
SMAPが番組「スマスマ」を始めた頃までには、テレビの音楽番組が次々と姿を消していました。アイドルがマスメディアで活躍するシーンが激減していたのです。国民的な人気者になるためには「歌とダンスができるだけじゃダメだ」。ジャニーズ事務所は、そう考えたのでしょう。それが「“平成のドリフターズ” に」という「戦略」を生んだのです。
決してSMAPを「お笑いコントグループにしてほしい」ということではありません。ご存知のようにSMAPはスマスマで、料理をして、コントをして、他のアーティストとコラボ演奏をしてと、それまでのアイドルとは違う表情をお茶の間に披露していきました。その過程でメンバーたちは「司会者(MC)」「俳優」「マルチタレント」としての個性を磨いていったのです。
スペーズがワンマン定期公演で歌・ダンスだけでなく、お笑いやコント、芝居などに挑戦するのも同じ狙いです。すべてのジャンルにマルチな才能を発揮できるとは限りませんが、「自分はコレが得意かも」とメンバー自身が「自分の武器」を発見できれば、こんなにありがたいことはありません。
それが、司会力なのか、ひな壇トーク力なのか、俳優としての演技力なのか、声優としての魅力なのか、お笑いの能力なのか、モデルとしての素質なのか、台本を作る才能なのか、デザイナーとしての可能性なのか・・・メンバーそれぞれだと思います。
また、今はマスメディア以外にインターネットをベースにした媒体も増えています。どんなメディアにどんな才能がピッタリとくるのか。可能性は広がるばかりです。
それがなんであれ「歌って踊れて〇〇ができる男装さん」となれば、まだまだ世の中には多くない芸能人であることは間違いありません。スペーズはそういった才能を育てる集団でありたいと思います。
そういう意味でも、スペーズは、畏れ多くも「令和のSMAP」を目指しているのです。
(文中敬称略)
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